ある朝、シャーロットは　P.ファーマー作　川口紘明訳　山口幸平画　篠崎書林 お歳暮

〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉

★昭和52年（1977年）初版発行。函、紙カバー付
★函＝背に破れ目有り。表面に保管上のスレ傷汚　
　　　れ、ヤケ有。地にめくれ、破れ有。（画像）
★紙カバー＝経年ヤケやや有。
★本体＝三方にやや経年ヤケ、地にややシミ、傷が
　　　　薄く有。紙面黄変やや有。

★★上記以外、本文内目立つシミ汚れ等無く、使用感希薄で製本は堅牢、ご愛読に支障は御座いません。本体は経年比で美品と存じます。然し乍ら、47年経過の品です。経年感等気になる方はお避け下さい。

　私の超秘蔵の品を出品させて頂きました。ペネロピ•ファーマー女史の、メイクピース家の姉妹、シャーロットとエマの姉妹の冒険を描く三部作の最終巻に当たります。

　夏の小鳥たち、冬の日のエマ、そして本作となるのですが、構成の面では一番優れているのでは、と感じます。

　ファーマーの作品は、どれも「夢」が大きなテーマになっています。夢の中で、別の人生があるならば、どちらが本当の自分なのか？という胡蝶の夢的問題に囚われそうですよね。

　今回の主人公、シャーロットは、寄宿学校の第一日目に、ヒマラヤ杉という名の部屋（ヒマラヤ杉なんて無いのに）に案内されて、好きなベッドを選ぶように言われます。

　全て同じ鉄製のベッドなのですが、窓際に、一台だけ四本の足に車輪のついた古いものがありました。一目で気に入ったシャーロットは、迷わずそれを自分のものとします。

　ルームメイトの四人と眠りについたシャーロット、ふと目を覚ますと、何と窓の外に無いはずのヒマラヤ杉が見えるのです。

　朝起きると、隣には見慣れない少女が寝ています。そして、シャーロットのことを、クレアと呼ぶのです。自分は誰？鏡を見て、顔形は自分だったので安心するのですが、明らかに周りは自分のことをクレアだと思っています。

　シャーロットはベッドの力で、過去の世界のクレアという少女と入れ替わっていたのです！現在と過去が入り混じる不思議なお話。

　挿絵が前二作と同じ山口幸平氏なのが嬉しいですね。希少な本、お探しだった方に。

　状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。

古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。

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